お子様に相性のあった家庭教師を探すポイント
▼ 目次
家庭教師と子どもとの相性
家庭教師側が気にしなければいけないこと
相性の重要性
子どもと共通項のある家庭教師
体験授業をフルに活用を
家庭教師と子どもとの相性
家庭教師は塾の教師よりも子どもとの相性が重要だと言われています。
これは個別指導型の講師にも言えるのですが、教師の能力がいくら高くても子どもとの相性が悪いと成績は伸びないのです。
集団形式の授業であれば教師との距離も遠く、課目によっても先生が変わります。
そのため指導法さえしっかりしている教師であれば相性はそこまで重要にならないのです。
しかし家庭教師や個別指導型の教師との授業は違います。
生徒の真横にベタ付けで位置し、科目ごとに他の教師に変わることもなくずっと指導をすることになります。
生徒は相性の良い先生の言うことであれば素直に聞きますし、信頼して指示を実践します。
しかし相性が悪いと感じている教師の言う通りには動きません。
そもそも嫌い・苦手と思っている教師が真横にいるだけで集中できるはずもなく、勉強できる体制になっていません。
これは実際にあったのですが、個別指導型の授業を受けていた生徒が担当教師を替えてほしいと教室長に相談しました。
担当していた教師はベテランの男性教師で、指導経験も長く指導法もしっかりしているので教室長も信頼していました。
生徒といざこざがあった様子もなく、性格も温和な教師なので教室長も理由がわかりませんでした。
後でわかったのですが、生徒は担当教師の口臭が気になって勉強に集中できなかったのです。
つまらないことのようですが、かなりの至近距離で指導を受ける生徒にとっては非常に重要なことなのです。
家庭教師側が気にしなければいけないこと
私が指導していたときもそうでしたが、個別指導型の授業をするときには特に身だしなみや口臭には気を使いました。
特に女子生徒を指導する際などは教師が「不潔」「臭い」「脂ぎっている」というだけでアウトです。
もちろん男性生徒にも受け入れられにくいでしょう。
こういったことに気を配っている教師もいますが、ある程度ベテランの年齢層が高い教師ほど気にしていなかったりするのです。
当然生徒との相性は良くはならないでしょう。
そのほか、「言葉遣い」「雑談の多さ」「昔のことを語る」などにも気を付けなければいけません。
家庭教師を依頼する生徒にも様々なパターンがあります。
「塾の授業のフォロー」「学力がかなり高い、もしくはかなり低い」そういった理由の中に「集団授業になじめない」というものがあります。
どちらかというと内向的で自分の意見を強く言えず、人見知りなタイプなので塾に行かずに家庭教師を利用しているという子どもです。
こういった子どもほど家庭教師との相性が重要になります。
このタイプの子どもは神経質でデリケートな子どもが多く、乱暴な言葉遣いや大声を出す家庭教師はその場でアウトです。
相手の子どもがどのようなタイプかを見極めて「受け入れられる」ようにするのは家庭教師側の努力です。
相性の良さの向上を目指すために気を付けなければならないでしょう。
相性の重要性
これは極論になりますが、学力が高いから必ず良い教師かというとそうではありません。
逆に学力はそこまで高くないが良い教師は居ます。
言ってしまえば、家庭教師の学力は低くても教えている子どもをやる気にさせ、自発的に勉強するように持っていき、成績を上げることができて志望校に合格させることができるなら、それは「良い教師」なのです。
ある塾での生徒アンケート結果ですが、生徒からの信頼度や満足度を数値化していくと上位にいつも居るのはそこそこ上位の大学出身の先生ばかりで、国公立大学卒業やトップ私立校卒業の先生はそこまでアンケート結果が良くなかったということがありました。
もちろん学力が高くて良い教師も世の中には数多くいます。
ただこういった先生は自らが子どもの時からよく勉強ができていて、良い高校、良い大学と進んで教師になった人が多いため「勉強ができない」「勉強しても成績が伸びない」「そもそも勉強が嫌いなのでしたくない」という子どもたちの気持ちが理解しにくい、という事実があります。
「なぜわからないのかがわからない」という状況です。
むしろ学生時代はそんなに勉強が好きではなかったような先生の方が子どもの気持ちを理解してコントロールしやすい、ということが起こっているのかもしれません。相性が合う先生がなかなか見つからないときは、そういった観点からも探してみるのも良いかもしれません。
子どもと共通項のある家庭教師
特に心を閉ざしがちな子ども、もともとあまり口数が多くない子どもと仲良くなるのに重要な要素として「先生と子どもに共通項がある」というものがあります。
私もしていたことですが、仲良くなりたい生徒が何に興味を持っているのかを会話の中から探っていきます。
その中で自分が話をできるものがあれば、そこから突破口を開きます。
どの教師ともほとんど会話したことのない子どもが同じネットゲームをしていた教師と仲良くなってプライベートな相談までするようになった例もあります。
学力による入試かクラブでのスポーツ推薦かで悩んでいた生徒が昔スポーツ推薦で進学した教師に心を開いたということもあります。
きっかけはテレビドラマでもマンガでもゲームでも趣味のことでも何でも良いのです。
もちろんずっとその話を盛り上がって話し込んでいるような家庭教師は三流です。あくまで仲良くなるきっかけとして使い、そこから家庭教師側のペースに持っていけるかどうかです。これもつまらないことのようですが、私はあるマンガをきっかけにして、「その子の声を聞いたことがない」と言われていた女子生徒と普通に会話できるようになりました。
そこからはこちらの指示も素直に受け入れてくれ、挨拶もすすんでするようにもなってくれました。
教師と子どもが仲良くなるきっかけはどこにあるかわからないのです。問題は教師側がそれに気づけるかどうか、そこからどうコントロールしていくかなのです。家庭教師の技量が問われる部分でもあります。
体験授業をフルに活用を
相性を見極めるのに役立つのが体験授業です。
家庭教師派遣会社の多くではこの体験授業を行っており、中には複数回受けられるものもあります。
ここでよく見ていただきたいのは、その家庭教師の教え方、言葉遣い、全体的な雰囲気などです。
そこから、子どものとの相性が良さそうかどうかを見極めるのです。
これはどちらかというと感覚的なものですので、本人しかわからないでしょう。
保護者が気に入らなくても本人は気に入ったというかもしれません。
保護者から見ると良い先生だなと思っても本人は「何かイヤ」と言うかもしれません。
ここがポイントで「何かイヤ」というのに理由がない場合があります。
先生はしっかりと教えてくれたり言葉遣いも丁寧、別に不潔な感じもしないし理屈的には何も文句はないはずなのに「イヤ」な場合があるのです。
生理的に受け付けないという感覚でしょうか。この場合はどうしようもありません。
無理にその家庭教師に依頼しても、うまくいかないことが多くあります。
複数回受けることができるなら色々な先生の体験授業を受けて、感覚的にこの先生が良い、何か合いそうだという先生を選ぶのも良いかもしれません。
ただ、あまり深く考える必要もなく、大手の派遣会社であったりすれば途中で別の家庭教師に変わってもらうこともできます。
その制度もあるので、最初は子ども本人の感覚で選んでも構わないのです。またこれは保護者も同様です。
子どもにはスムーズに話しているようでも保護者が見て「頼りない、気に入らない」という場合もあります。体験授業を受けた後で保護者と本人で感想を言い合って意見を交換するようにしましょう。
ライタープロフィール
男性
40代
塾講師歴 15年
現在高校生を相手に文系の授業を中心に行っています。
担当教科:国語、社会、歴史